頭部打撲が多いとなぜ認知症発症リスクが高いと言われるか

公開日: 更新日:

 では、睡眠中に脳の中では何が起こっているのか?

「起きている間に蓄積した脳のゴミ(老廃物)は睡眠のなかでもとくに深い眠りに当たるノンレム睡眠時に脳が縮小することで神経細胞外のスペースが拡張、Aβや過剰なタウタンパク質などが流れやすくなっていることが報告されたのです。つまり、ノンレム睡眠が多い質の高い睡眠を適度に取る人の脳内のゴミは除去されやすく、そうでない人のゴミはどんどんたまっていくことが推測されているのです」

 では浅い眠りといわれるレム睡眠は脳内のゴミ出しに関わっていないのだろうか?

 実は昨年健康な人を対象にした睡眠パターンと認知症との相関を調査した前向き研究が発表された。それによると、レム睡眠が少ないことが認知症の危険因子であることが報告されている。

 いずれにせよ、十分な睡眠が認知症の予防になりうるのだ。

 認知症を予防するにはそのリスクが高い病気を予防することが重要だ。糖尿病は認知症罹患リスクを約2倍にし、中年期の脂質異常症はそのリスクを2~3倍に押し上げる。うつ病や難聴などにも注意が必要だ。それと同じくらい頭を打たず、よく寝て、病気にならないことが肝要だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ