「睾丸回転症」血液と精液が通る管がねじれて激痛が走る
突然、陰のう(タマ袋)から下腹部にかけて、激しい痛みが表れる病気があります。陰のうが徐々に腫れてきて、吐き気と嘔吐(おうと)を伴います。あまりの痛さに、ときにはショック状態に陥ることもあります。
中には激しい腹痛や腰痛として感じる人もいますが、このような症状があったら我慢してはいけません。受診が遅れると、大事な睾丸(こうがん=精巣)を失う危険が高まるからです。その病気は「睾丸回転症」です。「精巣捻転症」とも呼ばれます。
すべての世代の男性に発症する可能性がありますが、とりわけ多いのは25歳以下の若い世代です。小児では自分で症状をうまく説明できないので、単に腹痛を訴えたり、不機嫌になるだけのこともあるので注意が必要です。
陰のうに激しい痛みと腫れが起こるのは、腹部と睾丸をつないでいる「精索(せいさく)」と呼ばれるヒモ状の部分がねじれてしまうからです。精索には、睾丸に血液を送っている血管や精子の通り道である精管が入っていますので、ねじれてしまうと血流が途絶えてしまうのです。