「siRNA」を使った薬剤に新型コロナ治療薬としての期待が
遺伝子治療薬は、病気の原因になっていることが明らかな遺伝子に対し、不足している場合は「補う」、過剰な場合には「抑える」ことによって病気の治療を行うものです。
それらを外部から「薬」として投与する方法で実施するため、遺伝子治療薬と呼ばれています。
原因となる遺伝子(正確には遺伝子からつくられる健康を保つために必要なタンパク質)の単純な不足や過剰だけでなく、場合によっては異常な遺伝子が過剰に発現することで、正常な遺伝子が不足しているケースもあります。いずれにせよ遺伝子治療は、遺伝子の「不足」と「過剰」に対応するのですが、これらの遺伝子の制御技術は実験室でこれまでに行われてきた実験技術が多く、それが遺伝子治療薬の製剤化に生かされています。
遺伝子発現を抑制する技術のひとつに「RNA干渉」(RNAi)というものがあります。RNAiに使われる「siRNA」「shRNA」「miRNA」は標的となる遺伝子(RNA)に結合し、遺伝子を切断します。それで悪さをしている遺伝子を抑制するというものです。