著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナウイルスは気温が上がる夏になれば終息するのか

公開日: 更新日:

 世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症ですが、今のところ終息のメドは立っていません。ただ、感染症が流行するのは冬の寒い時期であり、北半球がこれから夏に向かう中、流行が鈍化、あるいは終息に向かうのではないかという希望的観測があります。

 確かに、風邪症状を引き起こす多くのウイルスは、高温多湿環境でその活性が低下するという研究報告があります。また、夏は紫外線量が多く、人の体内におけるビタミンD合成が盛んになる時期でもあります。

 ビタミンDサプリメントの摂取はわずかながら感染症リスクを低下させることが報告されており、気象条件はウイルスの活動や感染拡大に影響を与える重要な要素といえるでしょう。

 そんな中、気温や紫外線量と新型コロナウイルスの感染拡大に与える影響を検討した研究論文が欧州呼吸器学会に2020年4月8日付で掲載されました。

 この研究では、中国における新型コロナウイルス感染症の症例データと、気温や湿度などの気象データ、さらには紫外線量の計測データを用いて、気象条件と感染拡大の関連性を統計的に解析しています。感染の拡大は新型コロナウイルスの累積発症率とR0値で評価されました。R0値とは「1人の感染者が何人に感染させるか」を表す数値です。R0が1未満になると感染は終息に向かいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾