「一生飲まなきゃいけない薬はない」 高齢者の薬の正しい飲み方とやめ方 在宅医療の名医が語る

公開日: 更新日:

血圧の薬は一生飲み続けなくてはいけない」──こんな言葉がまかり通っているが、本当だろうか? 高齢になれば筋肉が衰え、体重も落ちていく。薬を飲み始めた40~50代とは体重も食べる量も運動量も違う。まして、その当時の正常値と70代以上の正常値が同じである必要はないはずだ。毎年200人を看取る在宅診療の名医で「しろひげ在宅診療所」(東京都江戸川区)の山中光茂院長に話を聞いた。

「一生飲み続けなくてはいけない薬なんて基本的には存在しません。もちろん、1型糖尿病など、もともと体から出るホルモンが遺伝的に欠如していて、薬によって継続的にホルモンを補充し続けなければ体の機能を保っていけない、そんな環境の人がいることも事実です。ただ、そのような環境の方だとしても、身体的な変化、生活環境の変化、本人や家族のいのちの使い方に対する思いの違いによって、薬の必要性は大きく変わります」

 しろひげ在宅診療所では、「病気」を診るだけではなく「生活」を見ながら薬の調整をするという。病気だけを考慮すると、1日3回服薬の薬がベストであったとしても、患者の介護環境や服薬管理を考えた場合、1日1回の薬をあえて選択することもあるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘