降圧剤は60歳以上では3年続けないと意味がない? 米医学誌で報告
「血圧の薬は続けて飲まないと意味がない」というのは、高血圧の患者さんによく指導される内容のひとつです。ただ、その期間が正確に示されることはあまりありません。実際に高血圧の薬は、どのくらいの期間飲み続けないと効果が出ないのでしょうか?
上の血圧が200㎜Hgを超えるような場合には、すぐにも脳出血などの危険がありますから、ただちに血圧を下げる必要があります。その場合の血圧の薬は、たとえ数日でも飲むことに意味があります。
ただ、そこまで重症ではない高血圧を治療するのは、高血圧が続くことによって進行する動脈硬化に伴う、脳梗塞や心筋梗塞などの病気の予防のためです。
この予防のための高血圧の治療は、ある程度の期間は継続しないとその効果が明らかにはなりません。そこで問題になるのは、60歳以上の中高年で高血圧の治療を始める場合です。この場合、どのくらいの期間、薬を続ければ病気の予防効果があるのでしょうか?
今年の米医師会の内科専門誌に、それについての研究結果が報告されています。これまでの臨床試験データをまとめて解析したところ、100人に1人の病気の予防のためには、高血圧の治療を約3年は続けないといけないことが明らかになりました。60歳以上で開始した高血圧の治療は、最低でも3年は続ける必要がありそうです。