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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

尿酸値をしっかりコントロールして心臓を守る 心房細動とも関係

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 中年期に尿酸値が高いと将来的な心房細動リスクが大幅に上昇する──。今年1月、アメリカ心臓協会のオープンアクセスジャーナルに、そんな研究結果が報告されました。スウェーデンのカロリンスカ研究所が、30~60歳で心血管疾患の既往がないスウェーデンの一般住民33万9604人を尿酸値の高さで4群に分類し、平均26年間追跡したところ、尿酸値が最も高い上位25%の群は、尿酸値が最も低い下位25%の群と比べると、心房細動リスクが45%高かったといいます。

 尿酸というのは体内でプリン体が分解されてできた老廃物です。強い抗酸化作用があり、酸化ストレスから組織を守る有益な作用を持つといわれています。

 しかし、血中濃度が7㎎/デシリットルを超えると結晶になり、その結晶が関節などにたまって激痛を引き起こすのが「痛風」です。また、高尿酸値が続くと結石ができやすくなり、「尿管結石」などにつながります。

 それらに加え、今回の研究で心房細動との関連が明らかになりました。心房細動は心臓が規則正しい心房の収縮ができなくなる不整脈のひとつで、それだけで命に関わることはありませんが、心不全を合併したり、心臓内に血栓ができやすくなって心原性の脳梗塞を起こすリスクがアップします。

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