糖尿病患者の「目の中」はどうなってしまうのか…血管のこぶ、網膜の出血やむくみ
■喫煙者は高リスク
糖尿病によって生じる目の病気は他にもある。白内障や緑内障だ。
「カメラのレンズにあたる水晶体が濁る白内障は、その原因の多くが加齢によるものです。しかし、糖尿病の人は水晶体が高血糖にさらされるため、浸透圧が変化して水晶体の中に水分が蓄積しやすく、濁りやすいのです」
糖尿病白内障は、水晶体の周辺部から濁り始める皮質白内障と水晶体を包む後ろの袋が濁る後嚢下白内障、その混合型がある。
「皮質白内障は初期段階では気づきません。しかし、明るいところではまぶしく感じます。一方、後嚢下白内障は水晶体の中心部からすりガラス状に濁っているので、明るいところは最初からまぶしい半面、夜は瞳孔が開いて濁りのない水晶体の周辺部から光が入るので夜の方がモノが見やすく感じます。糖尿病による後嚢下白内障の進行は早く、数カ月で矯正視力が0.3程度に下がり手術が必要になることもあります」
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経に障害が起きて視野が狭くなる病気。進行は非常にゆっくりで両目で見ていると気づきにくい。健康な人でも40歳を越えると発症リスクが高まるが、糖尿病の人はさらに危険だという。