薬膳の基礎知識…「医食同源」「薬食同源」に基づいた食事療法
「医食同源」または「薬食同源」といった言葉をご存じの方も多いかと思います。ともに漢方医学にまつわる用語で、食べるものと薬になるものの源は同じだという意味になり、それに基づいた食事療法を「薬膳」といいます。
「夏バテ防止にウナギや山芋のとろろご飯を食べるといい」とはよくいわれる話。これがまさに薬膳です。何も特別なものを食べることを指すのではない。身近な食材で体の不調を整えようという考えです。
薬膳を実践する上でぜひ押さえておきたいのが、その食べ物が体を冷やすものか、温めるものか。漢方医学では「寒・涼」と「温・熱」の4つの性質に大別し、これらを「四気」と呼んでいます。冷やす方でも温める方でもないものもあり、これらは「平」または「平性」といいます。
温める食べ物の代表としては、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、シナモン、羊肉(ラムかマトン)。
冷やす食べ物の代表は、ニガウリ、ナス、キュウリ、ナシ、スイカ。
一般的には秋冬の野菜や果物は温めるものが多く、春夏の野菜や果物は冷ますものが多い。旬の取れたての野菜や果物を食べることが理にかない、体に良いでしょう。