働き世代 がんになったらお金はどうする~会社員編~(2)頼りになるのが傷病手当金

公開日: 更新日:

 肺がん抗がん剤治療を受けている30代会社員Aさん。有給休暇を使い終わった後は復職の予定でしたが、思った以上に抗がん剤治療による体力低下が著しく、復職は難しいかもと感じていました。休職(=無給)となると今後の生活はどうなるのか──。

 Aさんが調べたところ、会社が加入している健康保険組合では、傷病手当金として給料の約3分の2の額が1年半支給されるとのこと。また就業規則では、傷病手当金が受給される1年半は休職期間として定められていることも確認できました。

 復職できなければ解雇もあり得るのではという不安を抱えていたAさんでしたが、生活費に関する心配は少し軽減され、体力を取り戻すまでは休職し、治療に専念することを決意したのでした。

 なお、傷病手当金がいくらもらえるのかを考える際に大事なのが、支給額と手取り額が違うということです。給料から天引きされていた健康保険料や年金などの社会保険料は免除されないため、休職中でも払い続けなくてはならないからです。

 たとえば標準報酬月額(年金額の計算の時に使われる金額)が30万円の方は、傷病手当金として3分の2が支給されるとすると、休職中も20万円受け取れる。しかしここから、社会保険料が引かれるので、「思っていたよりもらえるお金が少なかった!」となることもあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘