働き世代 がんになったらお金はどうする~会社員編~(1)治療と並行して仕事を続けられるのか
看護師FPとしてがん患者さんのお金の相談に乗るようになって8年。これまで私が経験した中でも、みなさんのお困り事と重なり合う部分が多いケースを4回にわたり紹介したいと思います。
30代の会社員Aさんは妻、子供2人の4人家族。肺がんで通院して抗がん剤治療を受けています。治療スケジュールは6カ月で、有給休暇30日間を消化し終わるタイミングで復職を検討しています。ただ、営業職で外回りの業務であることから、抗がん剤治療と並行して仕事を続けられるか心配でたまらない──。
会社勤めの方がまずやるべきことは、「○○という治療を○カ月間行う予定」という今後の治療スケジュールを主治医に確認し、会社に具体的に伝えることです。その際、「副作用や後遺症が仕事や生活にどんな影響を与える可能性があるのか」「どんな業務内容なら継続できるか」の2点を盛り込むようにしてください。
自分一人では主治医にどう尋ねていいかわからないという方は、病院にある「がん相談支援センター」の協力を仰ぐのもひとつの手です。医療ソーシャルワーカーやがん相談担当の看護師らが対応してくれます。