健診の眼圧検査“異常なし”で安心してはいけない理由
40代以降にリスクが高くなる緑内障は、眼圧の上昇が関係しています。眼圧とは、目の内側から外側にかかっている圧力のことです。
もう少し詳しく説明すると、目というのは丸い形を保つために、房水(ぼうすい)と呼ばれる液体を循環させ、目の中の圧力を調節しています。なんらかの原因でこの房水の排出がうまくいかなくなってしまうと、眼圧が高くなる。そうなると視神経が圧迫されて血流が障害される。血流が悪いと神経が死んでいき、だんだんと見える範囲が狭くなっていきます。
ただし、眼圧が正常(正常値は10から21㎜Hg)でも緑内障を発症する人が多く、これは「正常眼圧緑内障」と呼ばれています。日本人に最も多いタイプの緑内障で、緑内障患者のうち約8割はこの正常眼圧緑内障。また、これとは反対で眼圧が基準値よりも高くても視神経が傷んでいない人もいます。この場合は、「高眼圧症」と呼ばれます。
会社の健康診断で眼圧検査だけを行うケースもあるようです。とはいえ、そこで正常と診断されたからといって安心しないように。正常眼圧緑内障の可能性もありますから。