虚弱は身体だけじゃない…視力が良くても「アイフレイル」の危険あり
健康長寿を考える上で着目したいことのひとつが「アイフレイル」。京都大学大学院医学研究科眼科学の辻川明孝教授に聞いた。
日本人の平均寿命(2023年)は男性81.1歳、女性87.1歳。
ところが、介護や医療を受けることなく自立して日常生活を送れる健康寿命となると、男性72.14歳、女性74.79歳。この数字は16年発表のものだが、今もそう大きく改善されているわけではない。
10年前後の介護を要する期間をどう短くするか。フレイル対策が大きな鍵を握っている。
「フレイルとは、健康な状態から要介護に至る、中間的な存在です。健康寿命を延ばすにはフレイル対策が必要で、アイフレイル対策もその中に含まれます」
アイフレイルは「アイ(目)」と「フレイル(虚弱)」をくっつけた造語で、視機能の低下、またはそのリスクが高い状態を指す。そもそもフレイルは身体的フレイルを中心に、認知機能低下やうつなどによる精神・身体的フレイル、社会的参加の減少や経済的困窮などによる社会的フレイルが絡み合っている。アイフレイルは身体的フレイルの一要素となる。