健診の眼圧検査“異常なし”で安心してはいけない理由
視野が欠けているかどうかは、眼圧検査だけではわからないのです。眼圧検査に加え、眼底検査、視野検査を行って初めて緑内障が疑わしいかがわかる。最近ではこれらに加えて、「OCT」(光干渉断層計)という機械が普及しています。
OCTは、目の各部分を光で切ってコンピューターで構築するシステム。網膜の断面図や厚みなどを測定して、視神経線維の薄くなっている部分を検出して、緑内障か否かを診断しています。
切る、というと「痛みがあるのでは?」と思われる方が多いかと思いますが、OCTは痛みや副作用はありません。ただまれに「少しまぶしい」と感じる患者さんはいらっしゃるようです。検査後の規制もなく、そのまま帰宅していただけます。
余談になりますが、OCTのような光学系の検査機器においては、日本はトップクラスだといえます。ですから日本製の検査機器を使用している日本の眼科検査は正確でハイレベル。OCTも進化を続けており、コンピューターの解像度はテレビよりも高精度で精密に映ります。
現在は網膜の1層目、2層目、3層目ぐらいまでははっきりと映り、医師が確認することができます。生まれ持った目の構造上、眼圧が高くなりやすい人がいますが、これもOCT検査でわかる。医師はそれを見つけると「この人は緑内障に気をつけないといけないな」と診断し、定期的な検査が必要であることを患者さんに伝えます。緑内障の早期発見につながります。