著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

健診の眼圧検査“異常なし”で安心してはいけない理由

公開日: 更新日:

 視野が欠けているかどうかは、眼圧検査だけではわからないのです。眼圧検査に加え、眼底検査、視野検査を行って初めて緑内障が疑わしいかがわかる。最近ではこれらに加えて、「OCT」(光干渉断層計)という機械が普及しています。

 OCTは、目の各部分を光で切ってコンピューターで構築するシステム。網膜の断面図や厚みなどを測定して、視神経線維の薄くなっている部分を検出して、緑内障か否かを診断しています。

 切る、というと「痛みがあるのでは?」と思われる方が多いかと思いますが、OCTは痛みや副作用はありません。ただまれに「少しまぶしい」と感じる患者さんはいらっしゃるようです。検査後の規制もなく、そのまま帰宅していただけます。

 余談になりますが、OCTのような光学系の検査機器においては、日本はトップクラスだといえます。ですから日本製の検査機器を使用している日本の眼科検査は正確でハイレベル。OCTも進化を続けており、コンピューターの解像度はテレビよりも高精度で精密に映ります。


 現在は網膜の1層目、2層目、3層目ぐらいまでははっきりと映り、医師が確認することができます。生まれ持った目の構造上、眼圧が高くなりやすい人がいますが、これもOCT検査でわかる。医師はそれを見つけると「この人は緑内障に気をつけないといけないな」と診断し、定期的な検査が必要であることを患者さんに伝えます。緑内障の早期発見につながります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…