大人にも増えている「重症喘息」の切り札となる治療薬
激しい咳が続き、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴や息苦しさが起こる「気管支喘息」。患者数は全世界で約3億人と推定され、日本国内だけでも800万人以上とされている。子供の病気と思われがちだが、それは間違いだ。
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「大人の喘息が増えています。当院でも毎日60~80人の患者さんを見ていますが、そのうち9割を占めるのが成人喘息です」
こう話すのは、池袋大谷クリニック・大谷義夫院長。
そもそも気管支喘息(以下=喘息)とは、気管支に慢性的な炎症が起こり、花粉やダニといったアレルゲンの侵入によって気道が狭まり、咳や喘鳴、呼吸困難を繰り返す慢性疾患だ。
「『喘息予防・管理ガイドライン2024』を見ると、国内における成人喘息の割合は、1960年代時点で1%前後だったのに対し、2000年代初頭までに6~10%に上昇しているとの記載があります」
成人喘息にはいくつかのパターンがある。①小児で発症してそのまま成人喘息に移行②思春期までに改善したものの成人後に再発③小児喘息がなく成人で初めて発症──の3つで、喘息はすべての年代で発症する可能性があるという。