アニサキスには正露丸が効く…実証した高知大教授がさらなる調査 飲んで「痛み改善」が約8割

公開日: 更新日:

 食あたりや消化不良、下痢などの時に服用する正露丸。あの独特のにおいの元であり、正露丸の主成分「木クレオソート」がアニサキスの運動を抑制する──。正露丸を製造販売する大幸薬品(大阪市)がこんな研究結果を発表したのが2011年だ。14年には、同社は正露丸・アニサキス関連の特許を取得している。21年、アニサキスと正露丸について新たな研究発表をしたのが、高知大学理工学部の松岡達臣教授らの研究グループだ。このたびさらなる調査結果も発表したので、それも含めて紹介しよう。

  ◇  ◇  ◇

 アニサキスは、寄生虫の一種。アニサキスが寄生している魚介類を刺し身や不十分な加熱で食べると、アニサキスによる食中毒を起こしかねない。

「正露丸がアニサキスの運動を抑制するというのは、アニサキスが麻痺して動かなくなっているのではなく、死んでいるのではないか? それを突き止めた論文がなかったので研究を行いました」(松岡教授=以下同)

 松岡教授らはまず、30㏄の液体に3錠の正露丸を溶かした。30㏄というのは空腹時の胃液の量と同等で、「1回3錠」という正露丸の用量に従った。そこにアニサキスを30分間浸し、トリパンブルー染色を行った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…