関東大震災から100年…養老孟司さんが語る「大地震後の歴史の転換期」とは?
世の中が壊れても小さな日常は維持される
令和の世の中で南海トラフをはじめとする大地震が起こったら、歴史の転換期になる。秩序は守られるのだろうか。
世の中が壊れるわけですよ。それでも小さな日常は絶対に維持されます。そこは安心していいんじゃないですかね。そこら辺があるかないかで状況がまったく違ってきます。よく言うじゃないですか、「そんなことになったら世の中めちゃくちゃになる」って。
でもね、世の中がめちゃくちゃになったことを僕はこれまで見たことがない。歩いていたらいきなり棒で殴られたっていう世界にはならないですよ。いちばん基本的な人間の常識は信用していいと思います。
日常生活の範囲では、きれいな水が出ないとかね、トイレが流せないとか、そういうことはなんとか我慢して、あんまり頑張らないで上手に暮らしていくことですね。最低のことから考えていく、悪いことじゃないですよ。
パニックになることは止められないが、養老さんは「どれだけ自分に余裕を持たせるかを今から考えるべきじゃないですか」とも言う。常に心構えはしておきたい。