大阪万博「遠足」に教育的意義はあるのか? 団体受け入れの不備が次々露呈、教育現場は大混乱
今月13日に開幕した大阪・関西万博。開幕翌日から、無料招待された大阪府内の小中学生らが続々来場している。大阪府が、事業として子供たちを招待している。吉村府知事はこの事業について「教育的意義がある」と繰り返し強調しているが、その主張に疑問符がつきそうなことが、教育現場で起こっている。
大阪府教育庁によると、無料招待事業では、万博協会が学校の希望を聞いたうえで、予約の必要なパビリオンなどに来場する日時の割り振りを決定している。混雑状況を予想したうえでの割り振りのため、指定された通りに会場を回ることが望ましいが、必ずしも従う必要はないという。
学校が校外活動を実施する際は、あらかじめ「事前学習」を行うことになっている。万博見学も、教育の一環ということになっているため、子供たちは、万博に行く前に「事前学習」しなくてはいけない。
ところが、現場では「パビリオンの割り振りが遅すぎて、事前学習がまともにできない」といった声が出ている。大阪教職員組合の担当者はこう話す。
「府内のある小学校は5月上旬に万博会場を訪れる予定ですが、テストラン(今月4~6日)の直前までパビリオンの割り振りが通達されなかったようです。現場の教師がテストランまで会場に入れなかったこともあり、事前学習が満足にできない状況のようです」