東日本大震災から12年…「南海トラフ地震臨時情報」が出たその時、どう行動すれば?
東日本大震災から12年。そして近い将来“確実”に起きるとされているのが「南海トラフ大地震」だ。「30年以内に70~80%」の確率で起きるとされ、最悪のケースで死者数は約23万人。南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合、想定震源域の住人には気象庁から「南海トラフ地震臨時情報」が発表されるが、その時、われわれはどう行動すればいいのか?
■「半割れ」とは何か
先日、NHKが2夜にわたって放送したNHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」。改めて地震の備えの重要性を認識させられたが、その中で出てきたのが「半割れ」という事例。その際に出されるのが「南海トラフ地震臨時情報」と聞いて、「何それ?」と思った人は多そうだが、南海トラフ地震は「一度で終わらないケースがある」。震源域全体が一発で揺れる、いわゆる「全割れ」の場合は「直ちに命を守る行動」に移らなければいけないが、過去には紀伊半島沖を境に東側と西側で時間差で大規模地震が起きる「半割れ」や「一部割れ」という事例があった。
問題は、その時間差が分からないこと。1854年の安政東海地震(M8.4)と安政南海地震(M8.4)は約32時間後、1944年の昭和東南海地震(M7.9)は約2年後に昭和南海地震(M8.0)が発生している。1900年以降に全世界で起きたM8.0以上の地震96事例のうち、隣接領域で関連した同規模地震が発生した事例は、3日以内の10事例と3年以内の38事例で計48事例(全体の半分)があった。
こうした半割れで“残されて”しまった格好の地域では「いつ地震が起こるかわからない」ことになり、消防など被災地へ派遣することもままならなくなる。また、いつ来るか分からない地震への恐怖で眠れない夜を過ごすことにもなる。