震災の被災支援制度を徹底チェック 事前に知っておくことが最大の備え【一覧表付き】
罹災証明を受ける注意点
制度の利用も、緊急時、短期、中期、長期など被災者の置かれている状況に応じて異なってくる。
「国が用意している制度は主に中長期。被災後2、3週間が過ぎてから動き出す仕組みです。逆に言えば、人命救助やゴミ回収、避難所への食料配給など短期的支援は、災害の種類や規模によって相当違ってくるため、一般化して仕組みをつくりづらいのです」(村井氏)
個人向けの支援制度については抜粋して別表に記載した。これらの行政支援だけでなく、仮設住宅への入居、保険請求などを受けるために必要になってくるのが「罹災証明書」だ。被害認定基準は「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「一部損壊」の6区分。
今回、輪島市は、職員が調査に入り市内すべての建物を順次、被害認定調査をし、1月中旬までには罹災証明書を発行する予定とされる。
ただ、一般的に罹災証明を受けるには注意点がある。壊れたものを片付ける前に写真を撮影すること。外見、室内、キッチンやトイレなどの設備の全体像や破損箇所などはメジャーを使い指し示しながら撮影する。
さらに、被災支援制度は申請主義なので要注意。自ら申し込まないと給付や融資、補助を受けられない。
「東日本大震災では実際に申請せずに支援を受けなかった人も少なくなかったはずです」(村井氏)
南海トラフ地震もくすぶる。今年は防災DXがテーマになるのではないか。