道路工事や建設現場の警備の醍醐味は「早上がり」 半日で終わっても日当がもらえる
警備員編
「林山君、警備員のバイト始めたんだって?」──。知人の内藤さん(仮名)から電話がかかってきた。内藤さんは70代で、5年前から警備員をしている。
勤務時間は午前8時から午後5時。仕事の多くは屋外。つまり交通誘導員だ。私は店舗警備が専門なので、屋外の仕事を知らない。内藤さんに話を聞くと悲喜こもごもという印象だ。
道路工事や建設現場の警備の面白さは「早上がり」にある。店舗警備では閉店まできっちり立哨するが、屋外の場合は工事や資材の搬入が数時間で完了したりする。あとはやることがない。そのため工事の現場監督が「もう帰っていいよ」と解放してくれることがある。ときには半日で終了。それでも1万円の日当をもらえる。
内藤さんはこの5年間の出勤日のうち半分は早上がりだった。早上がりの日は平均で午後2時ごろに仕事が終わったという。
「30分で終わったこともあるよ」と内藤さん。工事現場では、作業した証拠として交通誘導員を立たせてその光景を写真撮影する。ところが作業員が撮り忘れることがある。そのとき、作業員はどうするのか? 証拠写真を“捏造”するのだ。