道路工事や建設現場の警備の醍醐味は「早上がり」 半日で終わっても日当がもらえる
作業が完了しているのに翌日も警備員を現場に呼び、路上に立たせて撮影。これを前日の工事風景として書類に添付する。写真撮影は30分で終わる。撮影が終わると内藤さんはお役御免で帰宅できる。念のため言うが、30分でも日当1万円はちゃんと支払われる。なんとも羨ましい。
作業員からどやされることもあるという。たとえば電柱と電柱を結ぶ電線の工事。人を乗せたアームを高い位置まで伸ばすバケット車(高所作業車)の中で電気工事士などが作業する。その際、切断した電線の先が地上に垂れることがある。
電源を切っているので感電はしないが、高齢者がつまずいて転ぶおそれがあるため内藤さんが道の端っこによけようとする。すると上から電気工事士が「そんなことやる暇があったら、クルマの誘導をやれよ!」と怒鳴りつける。ところが内藤さんが交通誘導に専念していると今度は「電線の始末をしろ!」と怒鳴る。まるで嫌がらせだ。
「彼らはわれわれ警備員を見下している。バケットの中から文字通り“上から目線”で怒鳴りつける。ムカッとくるよ」