ワンちゃんネコちゃんも熱中症には要注意! 皮下補液なら脱水は数分で解消する

公開日: 更新日:

 この方法のメリットは2つ。数分の短時間で必要な水分を注入できて入院せずに済むのが一つです。もう一つは、心臓や腎臓など循環器系への負担が少ないこと。注入した水分は細胞膜を介してゆっくりと取り込まれます。一方、血管に直接、補液を投与する点滴だと、一気に血液循環量が増えるため、心臓などへの負担も増えるのです。

 経験豊富な獣医師であれば、症状の確認と血液検査の結果などから、皮下補液を選択して迅速に治療することは難しくありません。特に心臓弁膜症や心肥大など循環器系の病気があるケースは、こちらの方が有効なこともよくあります。

 赤血球や血小板などの数値に明らかな異常が認められたり、血栓ができそうな兆候があったりすると、点滴がベスト。その場合、前述したような循環器系の障害があると、最低でも1日は入院し、脱水を補正するには5、6時間を要します。より慎重な投与が必要だと、さらに時間をかけての点滴です。

 どちらが適切かは、獣医師の判断になりますが、皮下補液という治療法もあることは覚えておくとよいと思います。実は皮下補液のとき、電解質バランスが適切な補液剤を選択すると説明しましたが、一部の動物病院ではこれにプラスしてビタミン剤やアミノ酸、糖質などを添加することがあるようです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘