くすぶる商品券問題は維新にも火の粉! 吉村洋文代表が見せた石破政権「補完」の仕草

公開日: 更新日:

「違法性の疑いが強い」──。石破首相自民党の新人議員15人に10万円相当の商品券を配布した問題について、日本維新の会吉村洋文代表(大阪府知事)が批判のトーンを強めている。17日の会見で違法との認識を示し、「本当に残念」とバッサリ。18日の会見でも「(首相は)政倫審(政治倫理審査会)で説明すべきだと思います」とクギを刺した。しかし、いざ自分たちに矛先を向けられると、トーンダウンしてしまうようで……。

  ◇  ◇  ◇

 石破首相が商品券配布について「政治活動ではない」と釈明していることに、吉村代表は「求心力を高めるという政治活動」「私的な行為ではないと思う」と主張。「僕は違法だと思う」と踏み込んだが、そこは是々非々路線の維新代表である。石破首相の“違法行為”を批判する一方、与党が年度内成立を目指す新年度予算案には協力的だ。

 維新は18日の役員会で、高額療養費制度の自己負担上限引き上げ凍結を反映した予算案の再修正案に賛成する方針を確認。

 再修正案は参院で可決された後、衆院で再審議にかけられるため、少数与党の衆院における維新の対応が焦点だった。

 吉村代表は予算案への対応を会見で問われると「問題なのは石破総理の行為なので、それによって予算の内容が変わっているわけではない」と強調。その上で「(予算案への賛成の)態度が変わることは逆にオカシイ」と妙な理屈を並べた。

「さすが政権補完勢力らしい維新というか、与党と握った自分たちの利益が最優先で、違反行為を働いたかどうかは二の次と言わんばかりです。予算案に賛成する代わりに与党にのませた教育無償化に水を差されたくないのでしょう」(ジャーナリスト・横田一氏)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    随意契約“小泉米”をホメているのは新聞とテレビだけ…専門家の評判はからっきし

  2. 2

    石丸現象は完全消滅…都議選で自民党と並ぶ42人擁立も新党「再生の道」は壊滅危機

  3. 3

    山尾志桜里氏「みそぎ」の出馬会見で火に油…延々2時間半「すみません」連呼、8年前の不倫報道には“完黙”

  4. 4

    国民民主党の凋落が止まらない…東京都議選の目標議席「11→5」にシレッと“下方修正”の哀れ

  5. 5

    進次郎農相の“JA憎し”どこまで…「古古古古米」込み20万トン再放出の“逆兵糧攻め”で宿敵つぶしに躍起

  1. 6

    山尾志桜里氏が参院選「公認取り消し」に至るまで…玉木国民民主またポンコツぶり露呈

  2. 7

    コメ高騰と備蓄米叩き売りで進次郎農相・自民農水族・財務省が“焼け太り”…輸入拡大ならトランプ大統領もニンマリか

  3. 8

    福岡厚労相ついに“白旗”…健康保険証の代わり「資格確認書」の一律送付「最後は自治体の判断に委ねる」

  4. 9

    参院選の争点に浮上か? 野党3党がガソリン「暫定税率廃止」法案を共同提出する深謀遠慮

  5. 10

    自民党の大嘘…12年前に掲げた「農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増」はどうなった?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波