安楽が敗退 巨人「フロントがっくり」「原監督ニンマリ」の理由
■説得材料がなくなった
昨年のダントツ目玉候補は、桐光学園の松井(楽天)だった。こちらも県大会で横浜に敗退。炎天下の中、2戦連続で視察した原沢代表は「甲子園で見たかった」と残念そうだった。松井は2年夏の甲子園で22奪三振の新記録を樹立。「ドクターK」として大ブレークしたものの、最後の夏は尻すぼみという印象になったのか、最終的に「スター候補」のはずの松井の指名を回避した。
「安楽は本当に右ヒジが完治しているのか、再発しないのか。上位候補といっても、山下スカウト部長は『150キロ超の球威が戻れば』という条件を付けていた。この日の最速は148キロ。最後の夏に条件をクリアし、再び甲子園を沸かせられれば、現場を説得できたかもしれない。というのも、原監督は『即戦力投手』と、今年の1位指名の要望ははっきりしている。早大の有原らが候補ですが、安楽の敗退で『甲子園のスターだから』とフロントが原監督を説得する材料を失ったも同然なんです」(前出の関係者)
かくして巨人は、魅力あふれる157キロ右腕からベタ降りすることが濃厚。将来的な人気面を危惧するフロントは来年もまた「スターが欲しい」と言い続けることになりそうだ。
負けて号泣した剛腕。ガッカリするフロント。原監督だけは、ほくそ笑んだに違いない。