内村航平「大技」導入の大バクチで世界体操と五輪の連覇狙う
「世界の選手を見ても(難度を)上げてきているし、日本の選手もそう。もっと完成度を上げないと……」
ロンドン五輪男子体操個人総合金メダルの内村航平(26)が珍しく弱音を吐いた。
23日は世界選手権(11月、英国・グラスゴー)の選考会を兼ねた全日本選手権の公式練習で約2時間の調整。
内村は全日本選手権8連覇がかかっている。すでに世界選手権代表が内定しているだけに、世界選手権での6連覇と来年のリオ五輪での連覇を目指して今回は演技構成を変更。中でも跳馬は最高F難度の「リ・シャオペン」を取り入れて高得点を狙うという。
この「リ・シャオペン」は世界でも数人しか成功しておらず、内村が決めれば日本人では初めてとなる。バック転をしながらロイター板(踏み切り板)を蹴って、ひねりながら跳馬に手を付くため、バランスを崩しやすい。不自然な体勢で手を付くだけに、肘や肩への負担が大きい技でもある。難度の高さに加えて故障のリスクが高いだけに、世界のトップクラスの選手でさえ敬遠する。
個人総合の王者もすでに26歳。男子のピークといわれる25歳を過ぎた年齢で高難度技の導入は、危険と隣り合わせだ。