世界体操は新技続々も…白井が「シライ」4個目狙わない理由
体操の世界選手権は11、12日に種目別の決勝が行われる。男子体操のひねり王子こと白井健三(18)が11日の床、12日の跳馬の2種目に出場するが、無難な演技でまとめるつもりだからだ。
昨年のベルギー・アントワープ大会で床(2個)と跳馬(1個)で新技を披露し、それぞれの技に「シライ」の名が付いた。この2種目のスペシャリストである白井は今季も新技の習得に励み、実戦で披露できるまでにマスターしたが、今大会の実施は見送るという。
今回の男子日本代表は団体での優勝を目指し、内村航平を筆頭に各選手とも安定性を重視。高得点を得られてもリスクのある大技は封印した。得点はそこそこでも、完成度が高い技を選択して臨んだためだ。
■新技認定基準が大幅緩和
実は今大会はネーミングを得る絶好の機会だった。国際体操連盟(FIG)の技術委員長は、これまで長らく欧州の独壇場だったが、今年から米国人のスティーブ・ブッチャー氏が務めている。ブッチャー技術委員長は米国人らしくエンターテインメント性を重視し、注目度を高める狙いもあって、従来は厳しかった新技認定の基準を大幅に緩和。体操関係者によれば、「跳馬なら最初の手のつき方を変えたり、床であれば回転が半分でも新技として認められるようになった」そうだ。