日本大逆転負けの世界体操 中国エースの大失態がドラマ演出
最後は大歓声に負けた感もする7日の世界体操男子団体の日本。0.991点差の1位で最後の鉄棒の演技に入ると、45.857点差で中国の演技を待った。最終演技者のチェンロンが15.861点以上出さなければ、日本は36年ぶりの金メダルだった。そのチェンロンはノーミスだったとはいえ、15.966という異常な高得点。
結局0.1点差で負けて、インタビューマイクを向けられたキャプテン内村は開口一番、「言いたいことは山ほどあるんですけど」。5種目に出た加藤も「これが採点競技の怖さだと知らされました」と悔しさをにじませた。
とはいえ、そもそもこんな接戦になったのは、「中国の秘密兵器」と呼ばれるエースのシュウディがミスを連発したからだ。やや苦手とするあん馬の着地技が乱れると、15.5点以上は堅いとみられていた得意の平行棒でもまさかのミス。いずれも14点台で、中国は終始日本を追う展開となった。
23歳のシュウディは、今年5月の中国選手権で個人総合を含む4冠を達成。23歳という年齢でも、五輪や世界選手権などには出場したことがない今大会の隠し玉。9日に行われる男子個人総合では5連覇を狙う内村の最強のライバルであることは間違いない。