V10内山でも2000万円 日本人王者ファイトマネーなぜ安い?
■ノーギャラで世界戦を戦った日本人挑戦者も
日本も米国と同じようにマネジメント料33%が引かれるとはいえ、詳細はジムによって異なる。日本のジムはマネジャー、プロモーターを兼ねている。選手もジムに依存しているケースが多く、33%以上引かれることも珍しくない。
「元WBA世界ライト級王者の小堀祐介は08年に王座に挑戦する際、対戦相手の招聘にカネがかかりすぎてノーギャラで試合をした。プロモーターがあるテレビ局に世界戦を持ちかけたら、『これだけ払ってもらえれば放送してもいい』とカネを要求されたこともある」(ジム関係者)
ボクシングに関する著書も多いスポーツライターの織田淳太郎氏はこう話す。
「日本人ボクサーのファイトマネーは基本的にジムに渡されたチケットの売り上げになる。そこから33%引かれるケースもあるので、売れないと収入どころか身銭を切る者すらいます。世界王者になれば現金プラス、チケットの売り上げです。しかし、チケット営業をジムに任せると手間賃が引かれる。自分で売るから全部チケットの方がいい、という選手の方が多い」
内山もチケットの売り上げ分を足して2000万円がせいぜい。そのチケット代にしても、この日は最も高いSRS席で5万円。ちなみに「世紀の一戦」の特別席は正価で120万円だった。