貴乃花一派が“反旗” 裏金顧問の陰謀と利用されるメディア

公開日: 更新日:

 だとすれば件のマスコミは、裏金顧問率いる貴乃花理事一派のお先棒を担いだことになる。長年、相撲担当記者を務めた評論家の中澤潔氏は「貴乃花はスポニチの専属評論家。スポニチが応援したいのはわかりますが……」と、こう続ける。

「私も新聞記者だったので、『新聞を売りたい』という気持ちはわかります。しかし、自分の評論家をあまりに持ち上げるのは我田引水、公正な報道という意味では失格です。露骨で見え透いたやり方。やり過ぎといってもいい。相撲界はこのような報道の仕方が、昔から習慣的にあった。もしかすると、この日の記事は貴乃花側がリークしたのかもしれない。私などは相撲協会の事情を知っているからまだいいですが、裏を知らない読者は信じてしまいますよ」

 作家の麻生千晶氏もこうしたメディアの報道姿勢に異を唱える。

「相撲に限らず、最近ではSMAPの(解散騒動の)報じ方もそうです。公平性をねじ曲げて、自分たちの利害関係のある方向に記事をもっていくことはスポーツ、芸能によくあります。私も記事を読んでいて、そのおかしさに気づくことがあります。今回の週刊新潮を見た時は、『ちょっと意地悪な見出しだなあ』と思いました。本来、メディアは自分の目で座標軸をしっかり定めなければいけません。それを失ってしまえば、マスメディアとは呼べません。ただのぶら下がり記者でしょう」

 取材対象と手を組み、一方的な報道を垂れ流す。これを癒着と呼ばずして、何と言うのか。貴乃花一派の悪巧みに利用されるメディアはもちろん、裏金顧問らの悪行を見て見ぬふりの他のマスコミも言語道断だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    菊乃井・村田吉弘さんが日本食の高級化に苦言…「予約が取れない店がもてはやされるのはおかしい」

  1. 6

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

  2. 7

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  3. 8

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  4. 9

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  5. 10

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」