貴乃花一派が“反旗” 裏金顧問の陰謀と利用されるメディア
だとすれば件のマスコミは、裏金顧問率いる貴乃花理事一派のお先棒を担いだことになる。長年、相撲担当記者を務めた評論家の中澤潔氏は「貴乃花はスポニチの専属評論家。スポニチが応援したいのはわかりますが……」と、こう続ける。
「私も新聞記者だったので、『新聞を売りたい』という気持ちはわかります。しかし、自分の評論家をあまりに持ち上げるのは我田引水、公正な報道という意味では失格です。露骨で見え透いたやり方。やり過ぎといってもいい。相撲界はこのような報道の仕方が、昔から習慣的にあった。もしかすると、この日の記事は貴乃花側がリークしたのかもしれない。私などは相撲協会の事情を知っているからまだいいですが、裏を知らない読者は信じてしまいますよ」
作家の麻生千晶氏もこうしたメディアの報道姿勢に異を唱える。
「相撲に限らず、最近ではSMAPの(解散騒動の)報じ方もそうです。公平性をねじ曲げて、自分たちの利害関係のある方向に記事をもっていくことはスポーツ、芸能によくあります。私も記事を読んでいて、そのおかしさに気づくことがあります。今回の週刊新潮を見た時は、『ちょっと意地悪な見出しだなあ』と思いました。本来、メディアは自分の目で座標軸をしっかり定めなければいけません。それを失ってしまえば、マスメディアとは呼べません。ただのぶら下がり記者でしょう」
取材対象と手を組み、一方的な報道を垂れ流す。これを癒着と呼ばずして、何と言うのか。貴乃花一派の悪巧みに利用されるメディアはもちろん、裏金顧問らの悪行を見て見ぬふりの他のマスコミも言語道断だ。