我が子のお受験に血眼 親方衆はまるで有名私大の保護者会

元横綱千代の富士は中学生のときに「飛行機に乗せてやる」と九重親方(元横綱千代の山)に口説かれて北海道から上京した。学校も台東区の中学に転入し、稽古に明け暮れたという。
昔は相撲取りの多くがこんな感じだった。中学時代に入門し、親方やおかみさん、兄弟子たちに教育され、成人を迎える。大事なことは部屋で学び、高校や大学に進学することもない。大学の相撲部を経て入門する学士力士は少数派だった。
ところが最近は、よその子供を預かる親方衆からして、わが子のお受験に目の色を変えるようになっている。
元横綱日馬富士の暴行問題をめぐり、当事者から事情を聴きたい八角理事長(元横綱北勝海)と、それを拒否する貴乃花親方の対立が鮮明になったが、それぞれの子供は同じ有名私大に幼稚園から通っていた。
貴乃花の長男で靴職人の花田優一は、修業でイタリアに渡ったため大学までは進んでいないが、日馬富士の親方の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や高田川親方(元関脇安芸乃島)、高砂親方(元大関朝潮)の子供も同窓生。日馬富士の子供も、現在は同じ小学校に通っている。モンゴル力士会よりも、この学校の保護者会の方が人数は多いのではないか。
■入門するのは肥満児ばかり
モンゴル力士の頂点に立つ横綱白鵬も、別の私学トップクラスの小学校に子供を通わせている。自分と同じように相撲の世界で成功させようという考えはないのだろう。
「苦労をさせたくないと思うんでしょうね。自分はつらい稽古に耐え、肉体を鍛え上げて出世したものの、子供には違う道に進んでほしい。そんな親心ですね。このタイプは昔もいて、千代の富士を連れてきた千代の山も、息子は慶応大学を卒業して
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り526文字/全文1,254文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】