大谷は二刀流「消滅」の危機…ソーシア監督解任論が浮上
とはいえ、ソーシア監督は今年が10年契約の10年目。過去3年はプレーオフにも出ていない。昨オフは大谷も含めた大型補強を敢行しながら、ここにきて負けが込むようになり、じりじりと首位との差を広げられている。
仮にプレーオフ進出を逃すようなら、いくらソーシア監督への信頼が厚いモレノ・オーナーといえども現体制に見切りを付けかねない。実際に地元ロサンゼルスのメディアからは、「勝てなければソーシア監督は今年限りでクビ。来季まで契約が残っているエプラーGMのもと、新たなチームづくりにかじを切る可能性が高い」との声も上がっている。
メジャー関係者は一様に大谷の投打にわたる能力の高さは認めながら、しかし、必ずしも二刀流に肯定的な人ばかりではない。本人の負担や二刀流起用ゆえの波紋、例えば大谷の登板間隔を配慮するがゆえに生じる他の先発投手へのシワ寄せなどを考えたら、投手か野手、どちらかひとつに絞った方がよいという意見は実際、他球団の首脳陣の中にあるという。ソーシア監督の次にエンゼルスの指揮を執る人が、そんな考えの持ち主であっても不思議ではないのだ。
大谷が手術を余儀なくされ、長期にわたってチームを離脱したとする。その影響もあってエンゼルスが監督交代に踏み切るようなら自身は戦犯のひとりになるどころか、次期指揮官に2本の刀のうちの1本を取り上げられてしまうかもしれない。そんな危険すらある――。