阪神は単独最下位へ転落 直面する高校球児からの総スカン
■288人中たった30人
不甲斐ない試合を繰り返せば、ソッポを向くのはファンだけではない。2005年以来、13年間も優勝から遠ざかり、昨季は17年ぶりの最下位に沈んだ阪神は今、アマチュアのドラフト候補生からも、見向きもされなくなりつつある。
先日の春のセンバツ甲子園を特集したベースボール・マガジン社の別冊春季号を見れば、危機的な現実がよくわかる。出場32校のベンチ入り全選手にさまざまなアンケートをとっているのだが、「好きな球団」という設問に「阪神」と答えた選手はごくわずか。各校のレギュラー9人、計288人を調べただけでも、たった30人しかいないのだ。お膝元の関西圏から出場した6校のレギュラー選手を見ても、阪神を好きな球団に挙げたのは、54人中14人だけだった。ちなみに、今秋ドラフトで上位指名が確実視され、投手の「高校四天王」と言われる奥川恭伸(石川・星稜)は楽天、及川雅貴(神奈川・横浜)はロッテと答えた。
言うまでもなく、プロ野球の球団にとってドラフトはチームづくりの根幹を成すもの。アマチュア選手からの不人気は死活問題になる。メディアは“伝統の一戦”などと巨人―阪神戦を特別視するが、高校球児にとっては過去の遺物になりつつあるのではないか。