阪神は単独最下位へ転落 直面する高校球児からの総スカン
そんなアマチュア選手の阪神離れの原因を、元球団社長の野崎勝義氏がこう看破する。
「最たる原因は育成がヘタという点でしょう。いい例が藤浪(晋太郎=25)です。入団から3年連続で2ケタ勝った逸材を、きちんと育てられない。育てるというよりチヤホヤして、甘やかしたように思う。いまの高校生は、あれだけの選手でも潰されてしまう、と感じてますよ。トレードで他球団に移籍した選手が新天地で活躍するケースが多いのも、阪神では実力が伸びないからでしょう。榎田(現西武)しかり、赤松(現広島)しかり、高浜(現ロッテ)しかりです。しばらく自前の4番打者が育たないことも含め、これは親会社やフロント、つまり球団の組織や風土に問題があるからです。監督を代えてどうにかなる問題ではありません。連れてきた監督に丸投げ、フロントが責任を取らないというスタンスではチームは変わりません。フロントが優秀なスカウトやコーチを他球団から連れてくるとか、現場と一体になって監督をバックアップしないと。勝てないから監督を代え、あとは監督任せというのでは、いつになってもいい選手は育たないと思いますね」
まったくだ。高校生としては史上最速の163キロをマークし、メジャーからも「世界一の高校生右腕」と注目される佐々木朗希(岩手・大船渡)も阪神からの熱視線は複雑ではないか。いずれにしろ、今年も最下位に沈むようなら、令和の世では“伝統の一戦”など死語になる。