なでしこミス連発 女子W杯初戦は格下アルゼンチンとドロー
この試合で最大の見せ場は後半11分だった。
右SB清水が攻め上がり、右サイドの深いところからマイナスのボールを送った。走り込んだMF杉田が絶妙スルー。これにアルゼンチンDF陣はついていけず、ゴール前ほぼ正面でフリーのMF長谷川の足元にボールが入った。しかし、振り抜いた左足にうまくヒットせず、ボールはゴール左に外れていった。
これには、いつもポーカーフェースを崩さない高倉監督も、ベンチ前で天を仰ぐしかなかった。
「高倉監督は就任して以来、勇気を持って世代交代を進めてきた。若いけど可能性を秘めた選手を積極的に登用し、W杯本大会でも充実した戦いを見せてくれると思っていた。しかし、これが<W杯ならではの重圧>と言ってしまえばそれまでだが、どの選手も自身の持ち味を発揮できず、ミスを連発して攻守のリズムを崩していった。特に攻撃陣の工夫のなさ、アイデアの乏しさには落胆させられた。相手選手たちは、タイトな守備で日本のシュートを8本に抑えた。集中力を切らさない守備は見事だった。しかし、アルゼンチンレベルの守備を崩せないようでは、なでしこジャパンの今後は厳しいと言うしかない」(前出の鈴木氏)