【寄稿 早草紀子】オランダはなでしこに願ってもない相手
今年に入ってからのアメリカ、ヨーロッパ遠征でも大きくメンバーが入れ替わるなど<メンバーを固定しない>のが高倉流。3年で多くの選手を試した結果、指揮官のソウルを叩き込まれている若手を多く招集した。
戦術理解や要求要素を含め、最後は愛弟子たちを引き上げた形だ。
世界大会では経験値も重要。このチームには絶対的に不足している。そのリスクも考えた上での覚悟の決断だったに違いない。が、ここまでの戦いで彼女たち<若手の躍動>は、まだ見られていない。ケガ人の多さも要因のひとつになっているが、他ライバル国との完成度の差も否めない。
■オランダを倒せば上昇気流が生まれる
グループDの最難関だったイングランドに敗戦した直後、「日本の大ファンだ」と明言するフィル・ネビル監督は、今後の期待を込めて「今の選手でこのワールドカップを制するのは早い」と語った。「なんだと(怒り)!?」と一瞬感じたものの、言い返すべき言葉は何ひとつ見つからなかった。悔しいかな、それが今の日本の現状だ。