新型肺炎で各大会中止…春季キャンプ&東京マラどうなる?
対策チームが情報収集
屋外の大イベントといえば、3月1日に行われる東京マラソンには4万人近い市民ランナーが参加する。沿道には100万人を超える観戦者が集まる国内最大規模のマラソン大会だ。
その頃までにウイルス拡散は収まっているのか、それとも2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)以上のパンデミック(世界中で流行する感染症)になっているのか……。
約1カ月で大会を迎える今、何か対策を考えているのか。主催の東京マラソン財団に聞いた。
「新型ウイルスに関しては対策チームを組織し、常時情報収集に努めています。具体策としては、ランナー受け付けやフィニッシュエリアで希望者にマスクを配布し、併せて参加ランナーとボランティアには注意喚起のアナウンスをします。ボランティアの皆さんは給水所でランナーと触れ合うので手洗いを徹底しますが、マスク着用については検討中です。今後も共催の東京都や日本陸連などの関係機関と連携し、対策に努めます」
直近の大きな大会だと2月2日に香川丸亀国際ハーフマラソンがある。こちらの組織委員会事務局にも新型ウイルスに関する対策などを聞いた。
「ランナーの方々には大会ホームページで予防を呼びかけています。例年1万人以上(3キロ、小学生駅伝含む)が参加する大会ですから、準備だけはしています。もし体調が悪くなった方がいれば、大会医務室で医師に診てもらい、新型ウイルスの感染が疑われる場合、隔離して保健所に案内します。開催は日曜ですが、丸亀市の健康課と連携を取り、しっかり準備しています」(村尾政彦事務局長)
ランナーはマスクをして走るわけにはいかないだけに、どうしても不安は払拭できない。
寺田病院(東京・足立区)の澤井廣量名誉院長がこう言って注意を促す。
「コロナウイルスもインフルエンザと同じように、直接・間接の接触で感染を起こす。感染者の咳やくしゃみによる飛沫と一緒にウイルスが飛び、接触することでも感染する。屋外のイベント観戦なら大丈夫ということはない。伝染病を甘く見てはいけない。しかも、この病気の患者は発熱や咳などの自覚症状がないまま人に感染させてしまうこともある。大勢の人が集まる場所へは行かないに越したことはないが、仕事も学校もありますから、そうもいかないでしょう。現在は流行を抑制できるワクチンがない。発熱、咳、下痢などの症状が出たら、医療機関に行ってください」
君子危うきに近寄らず、というが……。