吉田祐也が福岡初優勝 青学万年補欠→パリのエース候補へ
「青学大時代から、もともとトラックにおいても<記録の出せる選手>として地力は持っていました。実際、今季は5000メートル、1万メートルで自己記録を更新しました。ランナーは、想定したタイムが出ないと<引きずってしまう>ことがある。終盤の<1キロごと>の走りに注目したのですが、1キロ3分7秒、同10秒とタイムを落としても、次の1キロを必ず約3分に戻すところに吉田選手の<精神的な限界点の高さ>が表れた。30キロまでは<無駄な力を使わない走り>で上手に余力を残すことができ、優勝につながりました。終盤は上体がブレてユニホームがはだけるシーンも見られましたが、上体のバランスを整えることに改善の余地がある分、これからもタイムは伸びると思います。東京五輪後の2024年パリ五輪に大きな可能性を秘めた選手となりました」(スポーツライターの和田悟志氏)
キャラクターは「とにかく真面目」(青学大関係者)。和田氏も「青学時代に取材したときから<真面目でしっかりと受け答えができる>という印象を持っています」と言う。前出の瀬古リーダーは「パリ五輪に向かって良い選手が出てきたのはうれしい。練習はうそをつかない。まだまだ記録は伸びる」とコメントした。東京五輪後のエース候補誕生である――。