渋野はコーチと決別し遼ら助言…丸腰参戦に「最悪」の指摘
その結果、「芯に当たった時は20ヤード、平均して10ヤード飛距離が伸びた」(西郷)。上がり18番パー5は2オンに成功してイーグルを奪うなど、パー5だけで4つもスコアを伸ばした。
オフトレの成果が開幕戦初日の好スコアにつながったのだ。
いっぽう渋野は4つあるパー5は、バーディーなしの1ボギー。18番は2オンを狙いながらグリーン右に外し、7番アイアンでのアプローチはグリーンに乗らず結局4オン2パット。ウエッジを4本も入れた意味も、オフの練習の成果も見られなかった。
「今はコーチはいない。いろんなプロから話を聞いてやっている。昨年からちょこちょこ石川遼プロからも教えてもらっている」(渋野)
■コーチ不在で本当に米国で戦えるのか
それを聞いた評論家・菅野徳雄氏は、「最悪じゃないか」とこう続ける。
「石川がスイングに苦労しているのに、その石川からスイングを教わるのはどう考えてもおかしい。多くのプロから教わるのもよくない。自分の好みから“私ならこうする”と主観で教えるから、ますます混乱してしまう。コーチは渋野の体の動きを生かすのが役目であり、スイングの押し付けが仕事ではない。米国のコーチは、選手のいいところを見つけて、そこを伸ばすことで欠点を消していく。宮里藍は米ツアーに挑戦してなかなか勝てなかったが、アニカ・ソレンスタムを指導したピア・ニールソン、リン・マリオットに教わるようになってから勝ちだした。渋野も米参戦を目指すのなら、米国のしっかりしたコーチに一刻も早く教わるべきでしょう」
コーチは選手のかがみだといわれる。体の動き、考え方、テクニック、体調など選手のすべてを知り尽くした分身でなければ、きめ細かな指導ができないからだ。コーチ不在での米ツアー挑戦は、丸腰で世界と戦うのと同じだ。