日本人エース「ダル&マエケン」のアキレス腱 開幕戦5回KO
マエケンは6安打2失点
米大リーグが日本時間2日、全30球団で一斉に開幕した。
今季は史上初めて日本人投手2人が開幕投手を務め、ツインズ・前田健太(32)がブルワーズ戦、パドレス移籍のダルビッシュ有(34)がダイヤモンドバックス戦にそれぞれ登板した。
前田はオープン戦全体3位の45本塁打を放った強力打線を相手に4回3分の1を6安打2失点。ダルは同地区のライバル相手に4回3分の2を2本塁打含む8安打4失点。揃って5回を持たずにKОされたが、黒星は付かなかった。
ともに昨季、サイ・ヤング賞の最終候補3人に残り、指揮官から絶大の信頼を寄せられる日本人エース2人だが、不安要素はある。
前田は捕手とのコンビネーションが課題だ。ツインズの正捕手は昨季までのガーバー(30)に代わり、若手のジェファーズ(23)が務める。ルーキー捕手は昨年8月にメジャーデビューし、打率・273、3本塁打、7打点とバットでは結果を残した。
強打の捕手として注目を集めたが、経験不足から守備はザル。昨季は25試合でマスクをかぶってパスボールはわずか1個ながらフットワークに難があり、盗塁阻止率は1割3分にとどまった。チームは若手捕手に前田やべリオスら実績ある投手とバッテリーを組ませて育てる方針のため、エース右腕はマウンドで辛抱を強いられそうだ。
2被弾4失点のダル
一方、ダルはフロントの見切りの早さからせわしないシーズンになりかねない。
パドレスは昨オフ、ダル以外にも積極的な補強に動き、2018年のサイ・ヤング賞左腕スネル(前レイズ)、技巧派右腕マスグローブ(前パイレーツ)をトレードで獲得。マチャド、タティスJrの長距離砲2人を擁する強力打線を抱えることから、ナ・リーグ西地区8連覇中のドジャースの対抗馬と目されている。一部のアナリストはパ軍を優勝候補に推しているものの、早々とポストシーズン進出争いから脱落した場合、チーム解体を懸念する声も聞かれる。
パ軍は14年オフにも同様に11人の大型補強を敢行しながら15年は地区4位に終わり、主力選手を放出した。
当時GMだったプレラー氏は現在、編成担当取締役を務めている。これまで低予算で運営してきた球団だけに、チームが振るわなければ、ダルらはシーズン終了後にもトレード候補に浮上しかねない。