彭帥さん問題でドイツ選手団体がIOCに圧力! 日本のアスリートたちは追随できるのか
アスリートを守るためのこの団体は、IOCと彭帥の2度のテレビ会談について「この情報だけでは彼女が本当に安全なのか、検閲や抑圧されることなく自由に発言できているのか、証拠を示したとはいえない」と指摘。中国と香港で行われるすべての大会中止を決めた女子テニス協会(WTA)を支持し、IOCに「政治的、経済的配慮よりも選手の保護を優先するべきだ」と訴えた。
■日本のアスリートには暗黙のルールが
ドイツは前回の平昌冬季五輪でも金14個を含む31個(2位)のメダルを獲得しているウインタースポーツの強豪国だ。五輪まで2カ月を切ったこの時期に、IOCに対する不信感をあらわにし、選手の人権重視を強く求めた。その主張はまったくその通りだが、日本のアスリートはどう受け止めただろうか。
国内のある競技団体幹部は「このような動きは正直困る」と顔をしかめてこう語る。
「彭帥さんの問題を心配していないアスリートは皆無だと思います。ドイツ選手たちの主張も、もっともだと思うでしょう。これは選手の人権問題ですが、一方で米中の対立関係なども絡んでいる。日本のアスリートは政治的な発言を控えることが暗黙のルールになっているし、選手は国から多額の強化費がNF(競技団体)に渡っていることも知っている。東京五輪開催の賛否で国民が二分していたときもそうですが、国を刺激することはなかなか言えません。人権に対する意識が低いといわれるかもしれませんが、ドイツの選手組織と同じ主張や行動を求めるのは酷です」
沈黙は金メダルにつながるか……。