サッカーW杯であるか「本当のボイコット」 開催地は人権問題抱える金満カタール
人権問題といえば、来月4日開幕の北京冬季五輪は、中国の新疆ウイグル自治区や香港などでの人権弾圧を問題視する米・英・豪・加などが、抗議の「外交的ボイコット」を表明。日本も政府関係者の派遣を見送った。
ならば、カタールの人権問題に反発して、W杯をボイコットする国は出てくるのか。前出の松野氏はこう語る。
「今年のW杯は通常の6、7月ではなく、カタールの猛暑を避けるため11月開催になった。欧州各国のリーグ戦に影響が出るにもかかわらず、異例の決断です。開催地決定を含め、多額のオイルマネーが動いたとも聞くが、W杯や五輪のようなビッグイベントの主催者はカネ儲けを何より優先する。本来、人権軽視の国で国際大会は行うべきではない。しかし、主催者は大金を出す国には何も言えないし、世界のサッカー界には大量のカタールマネーがつぎ込まれている。ボイコットする国は皆無です」
カタールは、自国開催の2019年クラブW杯や20年AFCチャンピオンズリーグを成功させた。
11年には同国投資会社がパリSGを買収。カタール航空は胸スポンサーをつけない方針だったバルセロナと13年からの4年間で約160億円の契約を結んでいたし、17年からはFIFAの公式パートナーとなり、南米サッカー連盟主催の大会も支援している。
カタールに足を向けて眠れない関係者は少なくないが、W杯代表に決まる31カ国は人権問題に知らんぷりを決め込むか。