<41>アスリートと引退の微妙な関係 おばあちゃん扱いにもめげず「道場破り」したことも
スポーツ界で「引退」や「戦力外」の文字を多く目にする季節になった。スピードスケートでは22日に小平奈緒選手が引退試合に臨み、ただひとりの37秒台(37秒49)となる圧巻の好タイムで最後のレースを終えた。
アスリートには必ずやって来る「引退」。スピードスケートの世界で「戦力外」というものはほとんど存在しない。2013年に42歳で引退した私自身、アラフォーを迎えても富士急行の長田監督から進退について何か聞かれることもなく、「あんまり無理するなよ」と言われる程度だった。
「おばあちゃん扱いか!?」と思ったが、すでにケガをすれば選手生命も終わりという年齢。それでも、「まだやります」と言えば、まだ続けられたのだろう。
■年齢はただの記号でしかない
私の所属していた富士急行では、私も含め選手たちは五輪を照準に合わせて4年スパンで現役生活を意識していた。年齢はただの記号でしかない。40歳で終わり、というような区切りは考えていなかった。引退について誰にも相談しなかったとはいえ、ソチ五輪の選考会が終わっても引退を決めきれず、「まだ現役を続けようかな……」と考え直すこともあった。