巨人・菅野智之 完全復活の裏に「格の落ちる相手投手」にぶつける阿部監督の心遣い
「苦難を乗り越えられた気がします」
試合後、こう言ったのは巨人の菅野智之(34)である。
捕手の小林とコンビを組んで28日のDeNA戦に先発し、今季最多の117球を投げ、9回5安打無失点。3年ぶりの完封勝利でリーグトップタイの9勝目(2敗)を挙げた。
昨季は4勝(8敗)止まり。阿部監督は開幕前、ベテランのコンディションを考慮して「菅野は中7日以上、投げ抹消で中10日空けてもいい」と語っていたが、体調不良で一度抹消された以外、基本は中6日で回っている。なぜ復活できたのか。阿部監督はある「法則」のもと、菅野を起用していた。さる巨人OBがこう言う。
「5月の2試合を除き、全て1カード最後の3戦目、あるいは2連戦の2試合目とカードの最終戦に登板している。今季初登板にしても開幕6戦目だった。つまり、格が落ちる先発を相手にしながら、勝ち星を積み上げているのです。後半戦の開幕投手にしても、戸郷と山崎伊が球宴出場で疲労が考慮される中、初戦に登板することも可能だったのに、0勝の赤星が指名され、菅野は定位置の3戦目だった。菅野を復活させたい阿部監督の思惑でしょう」