プーチン大統領
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右腕キリエンコは元リベラル派 暗殺された野党指導者の葬儀にサプライズ登場
ウクライナにおけるロシア占領地のキーマンとして前回、セルゲイ・キリエンコ大統領府第1副長官を紹介した。日本で聞き慣れない官職だが、プーチン大統領の右腕として、反政権派の弾圧を含めて内政を統括する要職。大国にとって旧ソ連圏は「内政」だ...
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プーチン大統領の反撃でLNG輸入商社の三井物産・三菱商事が消沈、継続は困難か
政界通(以下=政) 樺太のLNG開発事業・サハリン2から日本への輸出が止まりかねない情勢に、事業に出資している三井物産と三菱商事の社内が暗いそうだな。 財界通(同=財) そのようだ。金融筋の話では、ロシアのウクライナ侵攻で日本も...
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現代の皇帝プーチンが耳を傾ける側近 キリエンコ第1副長官に存在感
われわれがのぞけないクレムリンの奥の院。世界を翻弄したロシアのプーチン大統領を、制御できる人物はいないものか。今回の有事の中、内部の様子が珍しく伝えられた。地方知事を定期異動させるための2022年9月の統一地方選に関し、シロビキ(軍...
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ロシア内部では不協和音も役人は受け身 ささやかれる後継者は3人いるが…
ロシアのウクライナ侵攻でプーチン大統領の指導力に疑問符がついたとして、外国メディアで「クーデター説」がまことしやかに報じられた。古巣の連邦保安局(FSB)で不満が高まったり、政権高官や新興財閥(オリガルヒ)が抗議の辞任をしたり。追い...
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闇将軍パトルシェフ書記はウクライナ侵攻の共謀者か? 長男は七光りで閣僚に出世
ロシアのプーチン大統領が無理のあるウクライナ侵攻を決め、短期戦には失敗した。トップの判断がまずければ、周囲が全力で阻止していたはずで、やはり共謀者がいたことになる。本連載で側近を何人か挙げたが、この人物に触れないわけにいかない。ニコ...
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テレビの映像を深読み “プーチンの後継者”と話題になった謎の若者の正体
プーチン大統領に「後継者」が現れたと、日本のテレビが騒いでいた。聞いたこともないロシア語メディアを引用する形で。登場したのは5月9日、ウクライナ侵攻さなかの戦勝記念日の軍事パレードだという。この日の生中継を見ていた筆者も、興味深いの...
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「アベノサクラ」の記憶…安倍晋太郎・晋三“親子2代”でロシアに植樹
アベノミクスにアベノマスク。安倍晋三元首相をめぐっては数々の新語が生まれたが、モスクワに「アベノサクラ」とでも言うべき木がある。2013年にプーチン大統領と会うため、日本の首相として10年ぶりにロシアを公式訪問した際、本人が植えた桜...
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プーチン大統領のご都合主義 コロナも戦争も「悪いのは外国」と責任逃れ
この男は本当に外国脅威論が好きだ。例えば、隣国を北大西洋条約機構(NATO)に加盟させないための超強硬措置が、ウクライナ侵攻だった。 戦争前に世界を揺るがしたもう一つの大事件、2020年からの新型コロナウイルスのパンデミック...
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ロシアのコロナ超過死亡は世界ワースト級「スプートニクV」の陰で人命軽視
ウクライナで戦争を始める前、ロシアが主要国で「1位」に躍り出たものがある。新型コロナウイルスに伴う10万人当たりの「超過死亡」の数だ。待てよ、プーチン大統領は「世界初のワクチン」とうたい、スプートニクVを誇っていたはず。それなのにな...
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戦勝記念日パレードに小さな変化 市民が掲げる親族の遺影パネルに「反戦」のメッセージ
ロシア人にとって第2次大戦の勝利とは何なのか。日本人には「赤の広場」の軍事パレードのイメージが強いが、筆者の抱いた印象は違った。春の到来を祝うように公園で老若男女が愛唱歌「カチューシャ」を口ずさみ、夜には花火。市民の行進もある。涙な...
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外交努力で戦争を回避することはできないのか…ゼレンスキーには3年間の時間があった
毎日新聞6月29日付「記者の目」欄で同紙カイロ支局の真野森作記者が、先輩である伊藤智永専門編集委員の4日付の論考「ゼレンスキー氏は英雄か」に噛み付いているが、私の見立てでは真野が●、伊藤が○である。 伊藤は、ゼレンスキーが戦...
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なぜロシア人の多くはプーチンにだまされたのか? 考えられる「3つのこと」
ナチス・ドイツ総統ヒトラーは遠い過去の人物で、2人目はもう現れないと思っていた。すると目の前にロシアのプーチン大統領が登場。前々から存在感はあったが、ウクライナ侵攻で牙をむき出しにし、国際社会をいや応なく巻き込んだ。未来に繰り返さな...
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国際的に孤立するプーチンは「上半身裸の乗馬姿」までG7サミットでネタにされる
ロシアのプーチン大統領が、主要国首脳会議から事実上追放されたのは2014年、クリミア半島併合時のことだった。それから8年後のウクライナ侵攻。そのさなかの先進7カ国(G7)首脳会議は、もはや主要国でない侵略国を糾弾する場と化した。恒例...
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「サハリン2」接収でどうなる天然ガス供給…ロシアの報復が岸田首相の“お膝元”直撃
岸田首相がNATO首脳会議に日本の首相として初参加。対ロシア制裁の強化を確認した直後、プーチン大統領から強烈な“報復措置”だ。 日本企業も出資している液化天然ガス(LNG)開発事業「サハリン2」の資産について、プーチン大統領...
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経済制裁で政権が揺らいだのはプーチンではなく西側という事実
バイデン大統領への支持率が急速に下落している。米国政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の各種世論調査平均では、バイデン大統領への支持率は、政権発足当時の2021年1月末の54.6%に対し、6月24日時点では39.1%。一方、不...
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物価高にも食料危機にも打つ手なし G7の“空しい結束”
「選挙は大事だが、国益のために会議に参加する意味は大変大きい」 「ロシアによるウクライナ侵攻への対応、物価高対策を含む世界経済、そしてインド太平洋などの地域情勢といった課題について率直に議論を行い、G7の結束を示す機会にしたい」...
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東郷和彦氏「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」
ロシアのウクライナ侵攻を機に、北欧の伝統的な中立国だったフィンランドとスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請した。NATOのさらなる拡大は欧州の安全保障環境にどう影響するのか。そして、どうしたら「プーチンの戦争」を...
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プーチン大統領もホンネは迷惑? 犬の“プレゼント攻め”でやむにやまれず「多頭飼い」
いくら犬好きでも、何匹も飼いたいと思うかは別問題だろう。1匹でも大切にする愛犬家はいるし、多頭飼育崩壊はもはや愛犬家とは言えない。「ファーストドッグ」と約14年間連れ添ったロシアのプーチン大統領は、前者に属するのではないだろうか。今...
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ロシアで“ポスト・プーチン”の跡目争いが始まった 穀物利権めぐり側近たちで内紛勃発
プーチン大統領は17日、ロシア版ダボス会議と呼ばれるサンクトぺテルブルク経済フォーラムで演説。重病説がくすぶる中、表舞台で「欧米の制裁は成功していない」と気炎を上げたが、側近たちは「跡目争い」に血眼だ。 現在、プーチン大統領...
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ウクライナ侵攻は「西洋と非西洋」の闘い 民主主義はすでに後退を迎えている
ロシアの国土は77%がアジア側だ。そのため西洋の中心から「スラブ民族はアジア人だ」とさげすまれてきた恨みがあり、強烈な対抗心がある。 今回のウクライナ侵攻は「西洋(民主主義国)」と「非西洋(非民主主義国)」の闘いであり、早くから民主...
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夫人と離婚、愛犬の死…2013~14年にプーチン家の環境は大きく変わった
ウクライナで亡くなった飼い主を待ち続ける秋田犬がいた一方、原因をつくったロシアのプーチン大統領が「愛犬家」というのは不条理だ。人や動物の犠牲を分からないのなら頭が足りないし、知っていて戦争しているのなら心がない。ところで、愛犬家のイ...
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愛犬家・プーチン大統領は“ウクライナのハチ公”「リニ」に何を思った
この戦争で数え切れない命が奪われた。人間だけではない。ウクライナで受難したのは犬や猫などペットも同じ。人間(ロシアのプーチン大統領ら)の一方的な都合によって犠牲になっていることを考えると、いたたまれない。何よりそのプーチンが「愛犬家...
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ロシア国民は「オルタナティブ・ファクト」の中で生きている
前回まで、ロシアのウクライナ侵攻や欧米の制裁後もプーチン大統領の支持率が下がらず、むしろ上がっている奇妙な現象の背景を説明した。国民の多数派が「受け身」であること、攻撃されると強いリーダーの下に集まってしまうことを理由に挙げた。そし...
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ポーランド元外相「ウクライナに核弾頭を」発言が物議…過ぎ去らない核戦争の現実味
ウクライナ戦争を巡り、核使用をチラつかせているプーチン政権。下手をすれば、西側諸国との間で一気に緊張が高まる懸念が拭えない中、ポーランドの欧州議会議員の発言が物議を醸している。 「西側諸国は自主独立を守るために、ウクライナに核...
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電力不足は原発再稼働の布石「古い資本主義」に先祖返りする岸田自民のたどる道
夏の電力不足を訴える節電キャンペーンが突然始まった。「プーチンの戦争」が生み出す戦時中の雰囲気にかこつけ、原発再稼働をゴリ押しする動きだ。北海道電力は16カ月連続、東京電力と中部電力は11カ月連続で値上げ。電気料金上昇に電力不足が重...
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戦争を起こした張本人の支持率がなぜ上がる? 疎外されたロシア世論の向かう先
前回、ロシア国民が「受け身」という実態を紹介した。消極的ではあるものの結果的にプーチン大統領を支持している。ウクライナ侵攻をやめさせるための日米欧の制裁がいくら厳しくても、その構造は簡単に揺るがない。それにしても説明が難しいのは、戦...
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ライト前ヒット狙い 7月の参議院選挙関連「ムサシ」は選挙の度に上昇
7月10日の投票が固まった参議院選挙。立候補予定者の壮行会も始まっている。6月第1週に行われた某立候補予定者のパーティーでは、安倍晋三元首相のスピーチがあり、聴衆の笑いを誘っていた。 「モスクワ訪問前に、当時の英国ブレアー首相...
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鉄のカーテンの内側はバーチャル? ロシアは政治に無関心な「受け身」の国民が支える
ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月下旬以降も、プーチン大統領の支持率が下がらない。隣国で死なせた将兵数は国防省発表で1000人以上、英国推計で1万5000人。制裁や外国企業流出で、国内経済はぼろぼろ。それなのに政権は耐えられている...
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プーチンのウクライナ侵攻と日本の「支那一撃論」の共通性
これまでプーチンのウクライナへの軍事侵略が20世紀の帝国主義的戦争の教訓に全く学んでいないという事実を指摘してきた。彼の頭にあるのは、スターリンのつくったソ連という社会主義体制の中心軸を再現して、ロシアをその帝国の支配者たろうとする...
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「“プーチン排除”が停戦への最短コース」名越健郎氏が分析する最新ロシア事情
「プーチンの戦争」はいまだ終わりが見えない。ウクライナを猛烈に支援する米国のバイデン大統領はロシアに外交解決を呼びかけ、プーチン大統領もトルコのエルドアン大統領による仲介案に乗るそぶりを見せ始めたが、楽観視はできない。ロシア国内は、ク...