介護
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睡眠中の脳の働きが「ひらめき」を生むのはなぜか?
「親の認知症が進んだようで、夜、寝なくて困ります。昼はいつもうとうとしていて……。どうしたらいいのでしょうか」 ご家族からよく寄せられる質問です。 良質な睡眠はとても大切です。睡眠リズムが崩れると、気持ちいい生活が壊れ...
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親の「資産内容」はどう尋ねればいいのか…経験者に聞いた
たとえ親子でもお金の話は切り出しにくい。とはいえ、何も知らないままで親が介護状態になってしまうと、その後の手続きや支払いなどで子供は大変な苦労をする。できるだけ早めに、気持ちよく教えてもらえるようにしたい──と書くのは簡単だが、子供...
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「お母さんと別れたくない」と涙…献身的だった外国人ヘルパーの行方は?
2020年2月。コロナ禍で介護業界がかつてない苦難に直面したころのことだ。新たに零細な居宅介護支援事業所で働きはじめた私は、「母親の件で、介護保険サービスを利用したい」とある女性から相談を受けた。 その女性の母親である内田貴...
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介護できょうだい仲が悪くなるのはなぜか…トラブルの原因は?
親の介護がきっかけで、きょうだい仲が険悪に──。そんな話を耳にしたことはありませんか。 いまだに“介護は長男が担うもの”といったイメージが根付いているご家族は多く、介護が長男一家に全集中しているケースは少なくありません。実際...
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生活保護申請中の患者さんは「100万円」の文言に引き寄せられ…
昨今よく言われる「闇バイト」。高齢者を狙った強盗や詐欺のニュースを連日耳にします。 当院の患者さんでも「詐欺にあった」と診療中に話していた患者さんがいました。その方は新宿区にお住まいで、「今なら100万円返ってくる」との文言...
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親が加入している保険証書の情報を家族で共有しておく
前回、介護費用の支払いや後の相続を想定し、親名義の預貯金や株について把握することに触れた。イザという時、すぐに引き出すことのできる現金の存在はとても大きいからだ。しかし、これだけで安心するのは早い。介護費用の補填やもっと先のことを想...
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妻は叫んだ「誰か助けてください!」…“介護慣れした女性”との遭遇で危機を脱出
「このままでは、とんでもないことになる」 ケアマネとして介護の現場にいる身としては、日々、そうした危機感を抱く。その理由は、なんといっても慢性的な介護人材の不足だ。なぜ人材が不足するかといえば、答えは明白だ。何度も言うが、介護...
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認知症でリスク増…高齢者の転倒予防で重要なポイントは?
厚労省が行った「令和4年人口動態統計」によると、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数は1万809人と、交通事故の2199人に比べて約5倍に上ると報告されています。 その理由として挙げられるのが、加齢による身体機能の衰えです...
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認知症予防に骨の健康を維持する酒向メソッドが必要なのはなぜか
「最近、体が硬くなって、動きにくいの。背中が曲がってて、背が縮んじゃったの」 「腰を圧迫骨折した母が寝たきりになって、認知症になってしまって……。どうしたらいいでしょうか」 「母が膝と股関節が痛いと言って、ほとんど歩かなく...
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キャッシュカードと暗証番号の把握は必須…元気なうちに預貯金の確認を
親に対してなかなか聞きづらいこと。それはズバリ「お金」の話ではないだろうか。高齢の親だと死んだ後のことを想定しているようでためらってしまうのは当然だ。それでも確実に老いは進む。老いていけば認知面の衰えから、資産の把握が難しくなる可能...
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5歳の子どもも“土曜出勤”。奮闘する介護人材
「訪問介護ヘルパーを確保するのが本当に大変だ」 私は零細な居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして働いているのだが、いま、それを痛感する。併設の訪問介護事業所は常にぎりぎりの数のヘルパーしかいない。そのため、新規の利用者のサー...
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不快臭に困った…在宅介護の「ニオイ問題」を解決する方法は?
在宅介護をされている方に多い悩みのひとつに「ニオイ」の問題があります。認知機能の低下でトイレの失敗が増えると衣類や寝具に尿が染み込み「尿臭」を発します。また、入浴頻度の減少は「体臭」を強める原因になりやすく、さまざまな臭いが混ざり合...
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医療スタッフが頻繁に自宅に上がり込む状況に気疲れしてしまう
在宅医療を開始した患者さんのご自宅には、医師や看護師らさまざまなスタッフが定期的に伺うことになります。 患者さんやご家族のサポートのためとはいえ、他人が頻繁に自宅に上がり込む状況に戸惑いを見せるご家族も少なくありません。 ...
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介護の現場で接する人たち…知っていると役立つ3つの専門職
病院で接する専門職の代表格といえば医師と看護師。昔からあるなじみ深い職業なので、高齢の親でもその違いや役割は理解しているはず。では、介護にまつわる専門職についてはどうだろう? たとえば、骨折などで回復期リハビリテーション病棟...
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認知症の人はいろんなことから解放され、だんだん穏やかになっていく
介護付き有料老人ホームで週数回、1年ほど働いている女性は、「アルツハイマー病に対しての印象が変わりました」と言います。 「もちろん健康でいられるに越したことはないと思います。でも、アルツハイマー病は不幸な病気、悲しい病気ではな...
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解雇勧告にも「引き際は自分で決めると…」80代ヘルパーの言葉、働く意欲
私がケアマネジャーとして働く居宅介護支援事業所は訪問介護事業所を併設している。私の働く事業所はもちろんのことだが、こうした事業所の多くは慢性的な人手不足に陥っている。その理由は明らかだ。第1に介護支援、訪問介護という極めてデリケート...
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認知症の人と心を交わす「バリデーション」の具体的な方法は?
「バリデーション」は、認知症の方に対して傾聴、受容、共感を通して心と心の交流を図るコミュニケーションの方法です。今回は、在宅介護でも取り入れられる実践法についてお伝えします。 相手への共感が求められるバリデーションは、まずはご...
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高齢者も適度に脚トレを 脊柱管狭窄症の筆者は1日4000歩とスクワットが日課
アントニオ猪木さん(享年79)は車椅子生活になってから急速に衰えました。難病を患ってしまったせいもありますが、人間、歩かなくなると心身ともに衰弱します。 レオナルド・ダビンチは、「人間の足は工学上の最高傑作であり芸術作品であ...
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帰り道がわからない…認知症やその疑いがある行方不明者は2万人弱
「昨日の夜、おひとりで外を徘徊して、多分自分の家がわからなくなったからだと思うんですが、ご近所のおうちのインターホンを押したり、玄関ドアを叩いていたりしたようです」 ある日のこと、認知症を患う患者さんの徘徊に関する報告をケアマ...
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通所サービスを利用するときは性格や介護度に合った内容のものを
要支援や要介護に認定されると、介護保険法に基づいた介護保険サービスを受けられる。その内容は「厚生労働省 介護サービス」のキーワードで検索できるが、最初に注目してもらいたいのが、施設などに出かけ「日帰りでサービスを受ける」、いわゆる通...
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救急搬送となった男性患者… 息子がその付き添いを拒んだ理由
ある日私が訪問診療でご自宅を訪問すると、男性の患者さんが廊下で倒れている姿が目に飛び込んできました。ベッドがある部屋からトイレへと続く廊下です。幸いなことに意識はしっかりしています。 「倒れていたのはいつからですか? ご飯食べ...
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認知機能が低下すると、どうしてゴミ屋敷になってしまうのか
「足の踏み場もありませんでした。どうやって暮らしていたのかわかりません……。ゴミがあふれて汚れや臭いもあり、部屋に入るためにモノを動かすのも大変でした。患者さんは本当に自宅へ帰れるのでしょうか?」 入院中の軽度認知症患者さんの...
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認知症患者の不安に寄り添う「バリデーション」とは?
アルツハイマー型認知症になると、自分の思いをうまく言葉で伝えられず、周囲との意思疎通が難しくなるケースが少なくありません。そういった認知症の方とコミュニケーションを取る方法に「バリデーション」があります。これは、傾聴、受容、共感を基...
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定期的な「歯科受診」が介護のリスクを低下させる?米国老年病学会誌に論文
高齢化が進む日本では、日常生活に介助を必要とする高齢者の数も増加しています。2019年における介護保険の総支出は11.7兆円であり、これは国民医療費の総額44.4兆円の約4分の1に相当します。介護保険サービスを持続可能なインフラとす...
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夜間頻尿と痛みに苦しむがん患者…訪問看護師が取った手は?
ある朝、訪問看護師さんから電話がありました。その看護師さんが担当している患者さんは、つい先日「夜間頻尿がある」との訴えから、高濃度の栄養輸液剤(エルネオパ)投与量を1時間あたり40~45ミリリットルから、30ミリリットルに減らした方...
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「ホスピタリティー」が回復に欠かせないのはなぜか
「先生、入院中は毎朝若い看護師さんが手を握りに来てくれるんだよ。そりゃうれしいし、元気になるよ」 いまは回復して復職された83歳の患者さんが笑顔で口にされていました。毎朝、血圧と脈拍、不整脈の有無を確認する看護について話された...
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介護施設で「大部屋」より「個室」がいいと言い切れない背景
介護施設や有料老人ホームへの入居を検討する時、どのタイプの部屋を希望するか決めなければならない。ひと昔前なら多床室(大部屋)か個室の二者択一だったが、最近はさらに細かく分類され、入居者の介護度、性格、費用などから最適解を選ぶ時代にな...
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「訪問介護」中小の倒産が過去最悪…スタッフ高齢化、大手参入、コスト高が“三重苦”に
介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産が記録的な増加を見せている。2024年上半期(4~9月)の倒産は95件と前年同期(73件)をすでに22件上回って過去最高を記録。介護事業の中でも介護の軽度な人の日常生活を援助する訪問介護は1~9...
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「90代の就活」に挑んでいた渡辺さん…その意欲を思い出し、元気づけられた!
私は71歳。ある零細な居宅介護支援事業所で常勤のケアマネジャーをしている。ちなみにケアマネジャー(介護支援専門員)とは、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、施設などに所属し、介護や経済問題に悩む人びとの相談に応じながらケアプラ...
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見知らぬ病院で母を逝かせたくない…何とか家に連れて帰りたい
私たちの診療所で在宅療養をされていた患者さんが、ある時、容体が急変。救急搬送されたことがありました。その娘さんから切羽詰まった口調の電話がかかってきました。 「『何かあったら119番せずに、まずは電話を』と先生に言われていたの...