ドタキャンと前言撤回はよくある話…親と子供の意識にはギャップがある
親と介護の話をしていると、お互いの認識のズレに戸惑うことがある。原因は、自分はまだ大丈夫と思っている親と、かなり危ないと感じている子供との意識のギャップだ。
足腰が弱っているから杖を使って欲しい。介護認定を受けてみよう。体力が落ちているので、通所リハビリに通わせたい。1人暮らしに限界が見えたので施設への入居を考えてみないか?
子供は親の今後が心配になり、よかれと思って解決策を提示していくのだが「はいそうですか」と素直に納得してもらえない。まだ必要ない、考えておく、覚えておく、と嫌がるそぶりを見せることが多い。
それでも根気よく話し合い、ようやくOKをもらっても間際になってドタキャンされてしまう話をよく聞く。都内に住む50代のAさんもその洗礼を受けたひとりだ。
「なんで? この前ちゃんと話して納得してくれたはずでしょ!」
ある日の早朝。Aさんは妻の怒声で目を覚ました。相手は熊本に住む義母のようだ。漏れてくる会話から、入居を検討していたサ高住への申し込みをキャンセルしたいと言い出しているようだ。