他人が家に入るのは嫌…90歳女性に強い抵抗を示されてから4年
地域の病院の先生から、「緊急で診てほしい」とご紹介いただいた患者さんがいらっしゃいました。90歳の女性で、腰椎圧迫骨折の疑いがあり、小学校の先生をしている娘さんと2人で暮らしていました。
娘さんが日中、仕事に出ている間は、ご本人がひとりで過ごしていましたが、当時は姿勢を保つことすら難しく、食事もままならない状態で、立ち上がることもできなくなっていました。背中を支えればかろうじて起き上がることはできるものの、ひとりにさせることに不安を感じた娘さんから「在宅医療をお願いしたい」と強い希望があり、私たちが介入することとなりました。
当初はご本人が「他人が家に入るのは嫌」と強い抵抗を示され、身の回りのことは「自分でやる」とかたくなにおっしゃっていて在宅医療をなかなか受け入れていただけませんでした。しかし、長年かかっていた病院の先生の紹介ということで、最終的には私たち、あけぼの診療所の訪問を認めてくださったのです。
「今回は急でごめんなさい。体調はいかがですか?」(私)
「背中と太もものあたりが痛くて、湿布を貼ってるんだけど……なんでこんなに痛みがきたんだか」(本人)