介護
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認知症の人は暑さを感じにくい…熱中症対策で注意すべきポイントは?
今の時期、在宅介護で気を付けたいのが「熱中症」です。総務省消防庁によると、昨年夏に熱中症で救急搬送された人の数は9万人を超え、そのうち半数以上は65歳以上の高齢者と発表されています。熱中症と聞くと、炎天下でのスポーツなど屋外で発生す...
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「ものにときめいて刺激を受けられるなんて今のうちよ!」83歳の女性患者からのアドバイス
訪問診療の現場ではたびたび人生の先輩方からアドバイスをいただきます。 「私なんてもう切り干し大根みたいになっちゃった! 時間の流れはあっという間よ~。ものにときめいて刺激を受けられるなんて若いうちにしかできないんだから、今を大...
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予後がまるで違う! 回復期リハビリテーション病棟の使い方
要介護状態となった人の原因として上位を占めているのが、脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患。これらの疾患は適切な治療を受けることで社会復帰が期待できる。 ただ、高齢者の場合、いくつかのリスクが付きまとう。長い入院生活による認知症...
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脳の老化を防ぐ食事のポイントは…「AGE」に注意する
先日、2040年における認知症高齢者の数は約584万人、軽度認知障害(MCI)は約613万人にのぼると厚労省の研究班によって公表されました。一度発症すると完治できない認知症は、症状が出る20年前からゆっくりと脳内で進行しているといわ...
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余命1年…家族の希望で本人には末期と悟られないように療養
病気や手術の後などでどの程度で回復するのか、それともしないのかなど、その見通しを指す言葉に「予後」という言葉があります。「予後が良い」といえば順調に回復していくことを意味し、「予後が悪い」場合は、後遺症が残るなど回復が危ぶまれる状態...
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在宅医療は医療界のバーリトゥード…「なんでもあり」が特徴
昭和の後半まで、家族を自宅で看取ることが一般的でした。しかし医療の進歩や医療政策、社会構造の変化などにより、いまや入院先の病院、介護やレクリエーションが充実した施設での看取りが一般的になっています。 しかし2025年の超高齢...
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親の健康保険証、介護保険証、診察券のコピーを手元に置いておく
病気やケガで高齢の親に介護問題が浮上すると子供は病院や役所関連のさまざまな手続きに奔走することになる。それは遠く離れて暮らしているほど大変なのだが、事前に基本的情報を把握しておけば事を進めやすい。 まず推奨したいのは、親の健...
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認知症の人が打っておきたい「ワクチン」の種類は?
認知症が進行するにつれ在宅介護が難しくなると、施設への入居を検討する家族も多いのではないでしょうか。高齢者施設で問題となりやすいのが、感染症のまん延です。 認知症の方が多く入居される施設では、認知機能の低下からマスクの着用や...
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これまでの人生を振り返る…思い出の「棚おろし」のお手伝い
訪問診療をする中で、私たちにとって人生の先輩ともいえる患者さんやご家族の方々から貴重なお話を伺うことがあります。 90代や80代後半の方には、戦時中の記憶をはっきりとお持ちな方が少なくありません。診察の合間に当時の暮らしぶり...
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親の主治医に直接会って子供がチェックすべきこと
持病がある高齢の親が自身の健康状態をいかに把握できているか。今の治療方針はどのようなものなのか。親の主治医に会い、直接確かめる機会を持つことは、超高齢化社会の今、子供がすべきことのひとつだろう。 医学のことなどわからないと躊...
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熱中症救急搬送は高齢者が半数以上を占める…若年者よりリスク高
昨年5月から9月における全国の熱中症救急搬送人員は、総務省の発表を見ると9万1467人。前年の同期間と比べると2万人ちょっと増えており、過去2番目に多い搬送人員だったそうです。 年代別の救急搬送人員で最も多いのが高齢者。半数...
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認知症の親から何度も電話が…どう対処すればいいのか
「近所に住む母から毎日30分おきに電話がかかってきて、電話に出ないと家まで押しかけてくるのですが……」 そう話すのは、都内に住む50代の女性。認知症の母が暮らす実家から歩いて15分の場所に住んでいて、1日20回以上かかってくる...
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虐待の悲劇を回避…ケアマネージャーの指導で奥さんの介護が上手になった男性
13年間の在宅医療で多くの認知症の人を診てきた「人はどう老いるのか」の著者でドクターの久坂部氏。 「多くの人は自分が認知症になるかどうかを気にしますが、連れ合いがいる場合は相手が先に認知症になることも忘れてはならないですね」 ...
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「緩和」には適切な調整が必要…痛みとの付き合い方は人それぞれ
患者さんの痛みをできるだけ取り除くことは、訪問診療の中でも非常に重要なことのひとつです。痛みがあるだけで、患者さんのQOL(生活の質)が大きく下がり、自宅での療養自体を難しくすることもあるからです。 ですが、いくら痛いからと...
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親の主治医に自ら話を聞きに行こう…自分ひとりで病院へ
最近、調子はどう? そう聞くと「大丈夫。ちゃんと薬を飲んでいるし、問題ないよ」。いつも親の答えは同じ。きっとどこの家でもこんな会話が繰り返されていることだろう。だが、ここで安心してはいけない。 高齢の親は定期的に通っている病...
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負担を減らす介護法「ユマニチュード」では相手にどう触れればいい?
前回、認知症の方を介護する際に、人間らしさを尊重する「ユマニチュード」の4つの基本技術である「見る」「話す」を意識して行うと、相手に介護する側の思いが届いて介護の負担を減らせる可能性が高いとお話ししました。今回は「触れる」「立つ」に...
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介護現場の崩壊で避けられぬ経済的損失…賃上げ財源乏しく人材流出も止まらず倒産急増
介護業界が危機に直面している。東京商工リサーチが7日発表した調査結果によると、「介護事業者(老人福祉・介護事業)」の倒産が急増。今年は先月までに計72件(前年同期比75.6%増)に達し、あと1カ月を待たず上半期の過去最多だった202...
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かかってくる電話はさまざま…何度でもどんな内容でも納得いくまで対応
患者さんやご家族への電話対応は、私たちが日頃から気を配って行っていることの一つです。 その内容は、往診日の打ち合わせといった事務的なものだけではありません。病状や薬についての質問の電話もあれば、ご家族が患者さんの体調の変化で...
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認知症介護を円滑にさせる「ユマニチュード」とは?
認知症の介護の負担を減らす方法に「ユマニチュード」と呼ばれる技法があります。フランス語で「人間らしさを取り戻す」という意味を持つ造語で、1979年にフランスの体育学の専門家によって開発されました。普段、どれだけ相手のことを大切に思っ...
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ベッド編(4)背中にクッションを入れて姿勢を安定させる
寝たきり状態の人の介護では、褥瘡(じょくそう=床ずれ)を防ぐため、定期的に寝返りをさせる介助が必要になる。ただ、寝返りを完了させて相手から手を離した途端、姿勢を保てずに元に戻ってしまうケースは少なくない。 「寝返りした姿勢を保...
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ベッド編(2)接地面積を小さくすればわずかな力で起こせる
「人間の胴体は平べったい形をしているので、あおむけに寝ているとベッドに接地する面積が広く摩擦が生じて身体介助をしづらくなります。スムーズに起き上がらせるためには、体をコンパクトな状態にして摩擦を減らす必要があるのです」 そう話...
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「広い海で舟に乗っているよう」と妻に言い残し92歳男性は旅立った
「死因は敗血症性ショックで、その原因としてはご持病の骨髄異形成症候群が濃厚かと思います」(私) ついのすみかと決めた住宅型老人ホームに奥さまと入居されている92歳の男性の方。前日に容体が悪化したとのことで、当院も往診に伺ってい...
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親の「悪いところがないから大丈夫」は鵜呑みにしない
私の母は現在90歳。若い頃は女学校まで片道1時間以上の山道を歩き、85歳まで実家で1人暮らしを続け近隣を何キロも歩くほど元気だった。しかし今は要介護度4。日常のほとんどが車椅子生活となり、認知症も急速に進行。特別養護老人ホームで暮ら...
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ベッド編(1)動作の支点を膝にすれば腰に負担がかからない
力任せの介護で腰を痛める人は少なくない。ベッドに横になっている相手を介護する際、介助者は前かがみの姿勢になるが、何度も繰り返していると椎間板や脊柱起立筋、大臀筋などさまざまな筋肉に負担がかかり、痛みが生じやすい。 「前かがみな...
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認知症の親の「便秘」を解消させる具体的な方法は?
高齢になるにつれ悩む人が多いのが「便秘」です。2019年に厚労省が行った国民生活基礎調査によると、65歳以上の女性の72.3%、男性の64.1%に便秘の自覚があるとされています。 とりわけ認知症の方は、活動量の低下や不規則な...
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訪問診療をキャンセルされることもたびたび…誰とも話したがらない63歳男性
「痛い、何やってんだよ」(患者) 「調子はいかがですか?」(私) 「悪いに決まってんだろ」(患者) 「血圧測ってもいいですか?」(私) 「嫌だって言ってるでしょ!」(患者) お別れが近づいている時、身近...
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認知症の親が自傷行為を繰り返す…対処法はあるのか?
認知症になると、自分の顔や体を引っかいたり、ベッドの柵に手を打ち付けるといった「自傷行為」が見られるケースがあります。認知症には「こだわりの法則」があり、ひとつの事柄に集中するとそこから抜け出せず、周囲が説明や説得を試みたり否定した...
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起きたら冷たくなっていて…母の死を確認したのは高校生の娘だった
その患者さんは、旦那さん、大学生と高校生の2人の娘さんとの4人暮らしでした。50代という若さでしたが、卵巣がんの末期。予後が限られているということもあり、今後どのように過ごしていくかという話は避けて通れません。 在宅医療を始...
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車イスからの移乗介助はフットレストの外側に足を踏み出す
「医療や介護の現場で、看護師またはヘルパーがケガをしやすいのが車イスからの移乗介助です」 そう話すのは、埼玉医科大学医学部客員教授の根津良幸氏。車イスから立ち上がらせようとした際に、足置き場となる「フットレスト」に介助者の足首...
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腰に触れて「崩し」を利用すれば体格差があっても起こせる
介護者を悩ませる腰痛の原因は、力まかせの“パワー介護”だ。椅子から立ち上がらせようと、相手を抱きかかえて持ち上げている人は少なくない。埼玉医科大学客員教授の根津良幸氏はこう言う。 「私たちは日常生活の中で、相手の体勢を不安定に...