よくある介護の悩み(5)認知症の親がお風呂に入らなくなった…どうすればいい?
私の絶対に欠かせない健康法は、朝風呂に入ることです。寝覚めをさわやかな覚醒状態にすることと、体をさっぱりと気持ちよくして清潔になるためです。
前回、排泄トラブルを取り上げた際にもお話ししたように、“最善の介護”では「清潔を保つ」ことが重要なポイントのひとつです。認知症をはじめ、病気やケガの後遺症、フレイルやサルコペニアによる虚弱から入浴をしなくなってしまうことはよくあります。
入浴をしないと、臭いなどで介護する周囲にとっても問題になりますが、何よりも本人の衛生環境が悪化します。汚染が進んで、感染症などの病気にかかるリスクがアップするのです。
たとえば、ずっと洗髪しないままでいると、多量のフケが発生して皮脂や常在菌が固まり、かさぶたのようなフケの塊ができます。すると、炎症やかゆみが生じて脂漏性皮膚炎に進行します。
こうしたプラークのようなフケの塊は、頭皮のあちこちにいくつもできるので、見つけた場合はすべて取り除く必要があります。しかし、ガチガチに固まっているため取り除くのを怖がって放っておくと、フケの塊が徐々に大きくなってケアマネや看護師では対処が難しくなります。その場合、医師が処置することになります。